キラー先生は静かにうなずいた。

ダメ元で言った私のこれまでの説明はまったく納得したようではなかったようだが、一点でも疑問がはれたのだろうか?
それとも今までのドクターたちの記録との関係だろうか?
私はなにも推測できなかったが、彼は私の母の顔を見ると、

「そういう事でしたか・・・、それでは、これからの治療をやり直します。」と言って静かに病室を出て行ったのだった。

まだ、退院の危機を逃れたわけではない。
この時、この病の専門分野の医師は、死神先生しかいないことも、この時の私達にはわからなかった。

ただ、病院を退院すれば頼る病院はないのだと覚悟を決めての私の決行であった。

あとは、遠方でも母を静かに療養させてくれる病院を探すことしかなかった。

キラー先生と話し合った私は、すぐに帰った。

明日には結果があるだろうが、根本的な病院の治療を無視したのだと思うと、明日からは病院探しに奔走しなければならない自分が情けないと思った。

翌日、病室に来た私を看護師さんが見ると、しばらくして死神先生がやってきた。

私は母には黙っていたが、車の中に大きな袋などを用意していた。
引っ越しは避けられないから、とりあえず母をホテルに連れていこうと思っていたのだった。